将棋より面白い最強頭脳ボードゲーム「ユニオンキング」の楽しみ方

密度が高い多様な駆け引きやゲーム展開が特徴の最強頭脳ボードゲームの秘密や仕掛け、最新情報をお届けします。

最強頭脳ボードゲーム「ユニオンキング」の駆け引きの多様性

 

先日は「ユニオンキング」の醍醐味について、

「駆け引きの多様性」こそ、醍醐味であると記載いたしました。

今回は「駆け引きの多様性」について、具体的に説明させていただきます。

 

ですが、その前に、まずは戦略について考える必要があります。

以下、戦略から先に説明させていただきます。

 

 

1.基本戦略

 

相手よりも先に100点以上を取り、相手よりも高得点を取ること。

基本戦略は これだけです。

 

ところが、「先に100点以上で、相手よりも高得点を取ること」について

掘り下げると、以下のような4つの戦略が考えられます。

 

 

2.高得点を取る戦略

 

1)相手よりも手数が少なくなるようにして、より多くのコマを

   合体させること。

2)相手よりも先に高得点の交点上に多くのコマを移動させて、

   高得点の交点上で合体できるようにすること。

3)相手よりも多くのコマを正2重合体コマとして合体させること。

4)相手よりも少ない合体コマの個数で、100点以上を目指すこと。

 

以上の戦略から、勝利者となる戦略をより総合的に考えてみると、

以下の通りとなります。

 

 

3.総合的な戦略

 

第1に、最少の合体コマの個数で、100点以上を目指すことが最少手数

での勝利となり、最も理想的であると考えます。

この為、「8点の交点上で、5組の正2重合体コマを完成」させて、

合計得点105点(21点×5組)を、相手よりも先に獲得できないかを

考えながらゲームを進めます。これが、第1の戦略です。

ところが、第1の戦略を実現させることは、実はとても難しいです。

理由は、「8点の交点上で、5組の正2重合体コマを完成」させることが

簡単にできないように、各コマの初期配置を設定しているためです。

この為、第1の戦略を実現させようとすると、かえって手数がかかる

こととなり、思惑どおりにゆかない場合がほとんどです。

簡単ではないところが、「ユニオンキング」の売りであり、

以下に記載する戦術の多様性を生み出しています。

 

第2に、多くの場合がそうなりますが、ゲームの展開上、

第1の戦略が困難になった場合には、8点の交点上での合体に限定せずに、

「6組の正2重合体コマを完成」させるように方針を変更してゲームを

進めます。これが、第2の戦略です。

合計得点が100点以上になる例に挙げると、例えば、以下の3例が

すぐに思い浮かびますが、すべて挙げれば 14パターンもあります。

 

 ① 8点の交点上に4組の正2重合体コマが有り、

   5点の交点上に2組の正2重合体コマが有る場合には、

    (21点×4)+(15点×2)=114点

 ② 8点の交点上に3組の正2重合体コマが有り、

   5点の交点上に3組の正2重合体コマが有る場合には、

    (21点×3)+(15点×3)=108点

 ③ 8点の交点上に2組の正2重合体コマが有り、

   5点の交点上に4組の正2重合体コマが有る場合には、

    (21点×2)+(15点×4)=102点

 

第3に、ゲームの展開上、第1および第2の戦略が困難になった場合には、

6組の内の1組もしくは2組を、他の種類の合体コマ(准2重合体コマ、

外図合体コマ、内図合体コマのいずれか)で補うようにします。

これが、第3の戦略です。

 

以上の第1から第3の戦略が、推奨できる総合戦略と考えております。

 

以上の説明から、戦略についておおむね わかってしまったので、

「駆け引きの多様性などあるのかな?」と疑問に思われる方もおられる

かも知れません。

 

実は、戦略はある程度わかっているのですが、

その戦略を実現させるための過程において、戦術の優先順位を判断する

ことが難しく、そのことがユニオンキングの醍醐味と考えております。

 

したがって、戦略や戦術について公開してしまっても、

ユニオンキングの醍醐味は残り続けます。

 

 

4.駆け引きの多様性

 

さて、いよいよ ユニオンキングの醍醐味である

「駆け引きの多様性」について、説明させていただきます。

 

ゲーム展開は、一手一手進むごとに様々に変化してゆきます。

互いに相手の一手を加味し、さらに、相手の心理や先読みをしながら、

ゲームを進めてゆくことが重要になります。

また、一手一手の優先順位の判断に加えて、機転が必要になります。

多角的な思考が必要で、直観力や想像力が大きく影響します。

 

ユニオンキングは合計得点を競うゲームであるため、

一見すると、左脳中心的で論理的なゲームであると考えられがちです。

ところが、ゲームの勝者となるには、むしろ、右脳優先的なゲーム全体の

把握力が何よりも重要であると思われます。

高度な先読み能力とインスピレーションのゲーム、

それがユニオンキングであると感じております。

 

以下に、戦略を実行する上で欠かせない「主な戦術」について列挙して

みますが、ゲーム展開によって、優先順位は異なってまいります。

また、対戦相手の心理によっても、優先順位は変わってまいります。

ですので、絶対的な一手や定石のようなものは究明できず、謎のままと

なっております。

 

<主な戦術>

 

1)9個ある8点の交点上に、相手より先に、自分のコマを移動させて、

   相手より多く、8点の交点を占領することです。

 

   但し、ゲーム盤中央の3個の8点の交点上に、何も考えずにコマを

   一手で移動させると、その後のゲーム展開が不利な状況になることも

   あります。相手のコマに飛び越される可能性が高いためです。

   その為、8点の交点上に、相手より先に、せっかく、自分のコマを

   移動させても、他の交点上に再び移動させた方が良い場合も出てまいり

   ます。

 

2)相手より先に、より多くのコマを合体させて、高得点を上げることです。

   コマを早く合体させるには、コマを早く移動させなければならず、

   連続して並んでいるコマを飛び越す手段をとる必要があります。

   その為には、まず コマが連続して並ぶように移動させる必要があります。

 

   しかし、コマを連続して並べた場合には、相手のコマにも飛び越される

   可能性があることを意識しなければなりません。

   そして、時には、連続して並んでいるコマを移動させて、意識的に

   連続したコマを途切れさせたり、移動方向のすべての交点をコマで埋める

   ことにより、その方向にはコマを移動できなくさせたりします。

 

3)相手がコマを移動させようとしている交点上に先に自分のコマを移動

   させてしまい、相手のコマの移動の邪魔をすることです。そうすることで、

   相手の内コマと外コマとの合体の邪魔をしたり、相手のコマが遠回り

   しなければ、コマを目的の交点上に移動できないようにします。

 

4)相手のコマに、自分のコマが飛び越されることが予想される場合に、

   先に自分のコマを移動させてしまい、飛び越されないようにして、

   相手の手数を増やすことです。

 

5)相手のコマの移動の邪魔ができたり、自分のコマを早く移動させることが

   できたりする場合には、あえて、低得点の3点や4点の交点上でコマを

   合体させた方が得策である場合もあります。

 

6)合体させやすい組合せのコマどうしを仮に一度合体させることで、

   方向転換させて、移動経路を変更したり、確保したりする方法もあります。

 

7)初期配置の状態で、3個の准内コマ(外図形が記載された内コマ)が

   8点の交点上にありますが、8点の交点を相手に明け渡さずに、

   3個の准内コマを移動時に反転させて、

   正内コマ(内図形が記載された内コマ)に変更させる方法があります。

   その方法は、一時的に、准内コマに対して、

   反転させた正外コマ(外図形が記載された外コマ)を合体させて、

   外図合体コマを構成し、その後で、正外コマの方を8点の交点上に

   残して、准内コマを別の交点上に移動と共に反転させて、正内コマに

   変更させるというものです。

   この方法は手数はかかりますが、

   8点の交点上で確実に正2重合体コマを構成させることができ、

   21点を獲得できますので、ゲーム展開によっては、戦術として

   効果があります。

 

8)ゲームの終盤において、相手との手数の差が何手あるとか、

   総得点として何点を獲得できるとか、勝敗についての具体的な計算を

   行って、最適な一手が打てるように努めます。

 

9)合体させることが困難になりそうな組合せのコマどうしの合体は、

   なるべく早めに見切りをつけて、コマを移動させないようにするか、

   別の組合せのコマどうしとの合体を試みることが手数を減らし、

   勝つ為の重要な判断となります。

   ゲーム展開を読み、柔軟に対処してゆく姿勢が良いと思われます。

   ほとんどの場合、6種類のコマを合体させれば、「最低獲得点数」の

   100点以上を獲得できます。

 

10)あと僅かな点数で100点以上を獲得することができるが、

   正2重合体コマとして合体させるには、相手よりも手数が少ない場合

   があります。

   このような場合には、相手との手数や得点の差を計算して、

   他の合体方法(准2重合体、外図合体、内図合体のいずれか)の

   可能性を考えて、最も良い合体方法を選択します。

 

11)合体直前まで反転させずにコマを移動させることによって、

   相手に油断させる方法があります。

 

12)様々な場面において、ある特定のコマを移動させるように相手に

   見せかけておいて、次の一手で、別の手を打つという「ダマシ」の

   テクニックもあります。

 

13)相手の特定のコマを合体直前で、合体不能にさせる方法がある場合が

   あります。

   相手の手数を多くさせるのに大変効果がある場合があります。

 

14)相手のコマの移動をこう着状態にできる場合があります。

   ゲーム展開によっては戦術として大変有効になります。

 

以上、列挙しましたように、多彩な戦術が多数あり、

2つ以上の戦術を組み合わせた形で一手を行える場合もあります。

まさに、戦術と戦術との頭脳戦の結果、勝敗が決まると言った感じです。

 

熟考しても、先が読み切れないため、インスピレーションに従いながら、

テンポ良く行いたいゲームです。

手数は少なく、双方合わせても、50手以内の場合が多く、

テンポ良く行えば、30分程度で決着がつき、短時間で最大限の充足感が

得られると思います。

 

さらに、駆け引きの多様性について追記すれば、

例えば、次に移動させる自分のコマの優先順位を考えたり、

戦術の中で、いずれの戦術を優先させるべきかを考えたりする必要があるため、

大変多様性があります。

 

さらに、戦術の優先順位として、「自分のコマの飛び越しが先か、相手のコマの

邪魔が先か」とか、「手元のコマどうしを合体させるべきか、飛び越して他の

コマとの合体を試みるべきか」というような判断に迷うことが頻繁にあります。

 

このように、戦略や戦術を公開してしまっても、駆け引きが多様であるため、

一手一手の優先順位が最大の謎として残り、醍醐味となっております。

 

ユニオンシリーズの商品化は、簡略化した単純なゲームから行ってゆく予定です。

なるべく早い時期に、ユニオンキングの商品化ができ、ユニオンキング独自の

醍醐味をお伝えすることができればと願っております。